特別養護老人ホームとは

特別養護老人ホームは、介護が必要な高齢者の入所施設です。

対象となるのは、「要介護3以上」の高齢者です。
つまり、身体的にも認知機能的にも重度の方を対象としているということです。

~要介護度~

お住いの地域の保健福祉センターなどに要介護認定を申請することで、日常生活の中でどのくらい介護が必要かを示す「要介護度」を知ることが出来ます。「要支援」と「要介護」を合わせて全8種類のランク付けがあります。要介護度によって、受けられる支援が変わります。

特別養護老人ホームを利用することができるのは以下の3つのランクです。

    
介護度 状態
要介護3 歩行においては補助器具を必要とし、生活の介助が一部必要になっている状態。認知機能の低下も著しくみられ、見守りが必要な状態。
要介護4 基本的な日常生活における動作に介助が必要な状態。思考力や判断能力の低下がみられる状態。
要介護5 全面的に介助が必要であり、コミュニケーションをとるのも困難な状態。

解説ちゃん:

介護度によって受けられるサービスが変わるから、ご本人やご家族さんの要望通りのサービスが受けられないことがあるんだよね・・・。せっかく認知症予防のためにスポーツジムを利用して健康を維持していたのに、「スポーツジムに行けるくらい元気なら要介護度も低いよね」って判断されちゃうから受けたいサービスが受けられない・・・だから要介護度を上げるためにスポーツジムをやめました・・・って方もいらっしゃいました。

要介護度が弊害になってしまうことがあるとは・・・(汗)

特別養護老人ホーム(以下、特養)は、介護保険が適用されることから利用者様の負担額が少ないため、どこの施設も入所待ちになってしまうほど予約が殺到しています。

入所するのに何年もかかってしまう場合も・・・

ただし、利用を開始する際には複数の施設の入所の申し込みをすることが出来ます。
とりあえずいくつかの施設に申し込みをしておいて、空きが出次第、利用を開始するご家庭が多いです。

ちなみに・・・

特養では、どうしても要介護度の高い方がご利用されているので、入居者様の最期を見届ける場面もあります・・・。当該施設が「終の棲家(ついのすみか)」となる可能性も高いです。
ご本人はもちろんのこと、ご家族さんやスタッフの方も後悔しない支援と環境を整えることが理想ですね。

施設形態としては従来型(大部屋)ユニット型(個室)があります。

◎従来型:4人程度の相部屋で過ごす。介護の効率重視。

◎ユニット型:一人ひとり個室で過ごすことができ、家庭での生活とギャップが少ないと言われている。

特に、ユニット型は個々人のプライバシーを尊重する時代に合わせた、新しい形といえます。

各施設形態によって、働き方も変わってくるので、介護士としての就職をお考えの場合には是非一度、どちらの形態も見学してみることをおススメします。

業務内容

◎身体介護

食事・入浴・排せつなどの生活行動の介助や、移動のサポート、身体の状態によっては衣類の着脱なども手助けする場合があります。施設によっては、通常のお食事が難しい場合、胃瘻(いろう)などの対応をする場合もあります(介護職員は研修が必要)。また、一人ひとりの服薬管理をしている場合も多いです。移動が困難な場合はすべての生活行動をベッド付近で行うこともあり、特定の知識とスキルを必要とします。また夜勤務の際には、入居者様に異常がないかを見守る巡視の仕事もあります。

◎健康管理

看護職員や医師と連携して、入居者様の健康状態を把握します。食事の摂取量や血圧、けがなど、異常がないかを記録して各スタッフに共有します。

◎生活援助

居室の清掃やシーツ交換をしたり、洗濯など、入居者様の身辺の環境整備を行います。

◎レクリエーションの企画・実施

入居者様の身体・認知機能の向上や維持、余暇の時間を目的として、様々なレクリエーションを実施します。ボールを使った運動や、クイズなど、ゲーム性を取り入れた内容や、お花見・クリスマス会などの季節の行事を行うこともあります。また、訪問系のサービスを行っている外部の企業や施設と連携をとることもあります。

◎ご家族さんとの連携

日々の様子をご家族さんにお伝えしたり、ご要望を受け入れたりします。
普段入居者様が利用するもの(衣類・お金の管理など)はご家族の方が判断して用意している場合も多いので、お互いに必要な情報を共有します。

◎その他事務業務など

記録業務など・・・

勤務形態としては、早出・日勤・遅出・夜勤・宿直などがあり不規則なシフトになります。

どんな資格が活かせるの?

◎サービス管理責任者

◎介護職員初任者研修

◎介護福祉士

◎介護支援専門員(ケアマネージャー)

◎社会福祉士

◎医師

◎看護師

などなど・・・・

特養で働くにあたり必須の資格はありませんが、スキルと知識が必要な場面が多く、就職の際には資格を求められることが多いと言えます。また資格がない場合、一部の介助業務が制限される場合もあります。

推定お給料

正社員:月額約33万円~43万円
年収約460万円~600万円(ボーナス・夜勤手当含む)

取得済みの資格などによって変動します。
幅広い介護スキルや知識を求められることから、福祉業界の中では比較的年収が高い業態です。

管理職に上がるにつれて、給与の向上が見込めます。

(2020.12 投稿)
(2025.6 更新)

※年度や社会情勢によって、制度や推定お給料が変わる場合があります。
※常に情報の更新を心がけていますが、追い付かない場合もありますのでご了承ください。

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