就労継続支援B型事業所

就労継続支援事業所とは、

疾病や障害などの理由により、一般企業や団体との雇用契約を結んで働くことが困難な方を対象に、就労の機会を提供したり、生産活動を行っている事業所です。

すなわち就労移行支援就労定着支援と違って、実際に利用者さんが働く環境を提供する施設ということです。

~就労支援事業所の区分~

就労支援A型事業所 雇用契約を結んだ上で、一定の支援を受けながら就労することができる。
就労支援B型事業所 雇用契約は結ばず、「生産活動」や就労に向けた訓練を行う。

今回は就労継続支援B型事業所についてお伝えします。

「就労継続型支援B型事業所(以下「就B」)」では、上記の表のとおり、事業所や連携の企業と利用者間の契約関係はありません。利用者さんは「生産活動」を行うことによって得た収益から、「工賃」が支払われる仕組みになっています。

就Bにおける「生産活動」の内容は、施設によって様々です。

例えば

  • ECサイトの運営及び、梱包や発送
  • 飲食店での接客や簡単な調理補助
  • 畑での野菜作り
  • 販売用クラフトの制作
  • イラストや動画の制作
  • 雑貨の袋詰め
  • 空き缶を集めてつぶす

などなど・・・

解説ちゃん:

最近ではゲームやeスポーツを主体とした事業所も多数存在するよ!
ある施設では、なんとeスポーツのプロにまで上り詰めた利用者さんがいるそうですよ!コミュニケーショに困難があり、就労支援を受けていましたが、今では周囲の力を借りながら仕事として取り組めているんだとか・・・!”好き”が仕事になる機会もあるんだね。

仕事場所としては、事業所内や事業所外のこともあります。
施設によっては複数の業務内容を抱えていることもあるため、心身の状態や障害の度合いによって様々な業務に挑戦することができます。

また、対象年齢は原則18歳~となっていますが、就労継続支援を受けることがふさわしいと児童相談所から認められた18歳未満のお子様も利用できることがあります。また、65歳以上の方も利用できるので、長く生産活動に携わることができます。

「生産活動の内容」と「年齢の幅広さ」により、各施設によってかなり特色が変わってきますので、
就職や利用をお考えの際は、是非見学などに伺ってみてください!

ちなみに、
就労継続支援で支援者として就職をお考えの場合・・・

業務内容には期日やスキルを求められるものもありますので、
利用者さんの力だけではなかなか目標に達成できない場合もあります。

その際、支援スタッフも生産活動の内容には携わることになりますので、
各施設がどんな生産活動を主体としているのか確認しておくことを強くおススメします!

他方、就Bの役割として一般企業への就職や、就労移行支援・就Aへの移行に向けた支援や訓練を行うこともあります。

解説ちゃん:

就Bよりも就Aの方が、業務時間が長かったり業務内容が難しいことが多いよ。業務体系がかなり異なることから、就Bから他就労支援施設や一般企業への移行が無理なく可能か・・・?という点に関しては、正直、利用者さん本人のスキルや障害度合いなどに左右されていることが多い印象です・・・。

業務内容

◎生産活動のサポート

施設内外における、生産活動をサポートします。具体的には、作業手順を覚えるのが苦手な方に向けてメモをお渡ししたり声掛けをする・コミュニケーションが苦手な方と連携先の企業様との間を取り持つ、などです。また、ある程度の品質を求められる作業に関して支援者が手助けをする場合があります。

◎施設外就労のための連携業務

ハローワークや生活支援センター、その他企業様などと連携し、利用者さんの施設外での就労の機会を確保します。利用者さんの希望やスキルを的確に連携先に伝えることも大切です。

◎日常生活のサポート

利用者さんが、安定して就労に励めるように生活サポートを行うことがあります。
例えば、排せつのサポートや予定を立てるお手伝いをするなど、個々人の困りごとにフォーカスした支援を行います。また、利用者さんの悩み事を寄り添って伺い、受け止めて改善に努めることも重要です。

◎余暇活動の実施

社会的なつながりを作ったり利用者さんがリラックスする時間を作る目的として、余暇活動の時間を設けられている施設さんも多数あります。団体での遊びや活動を楽しんだり、時にはレクリエーションとして外出イベントを実施することもあるようです。

◎利用者さんの送迎

自宅やグループホームに送り迎えを実施している事業所も多くあります。したがって、支援スタッフとしての求人要件に「普通自動車免許」を求められていることがあります。

◎各種施設連携やご家族支援

各施設やご家庭での利用者様の普段の様子をお伝えしたり伺ったりしながら、より良い生活を営めるように支援内容を考えます。また、ご家族の方の困りごとも受け止め、就Bとしてのできる限りの支援を行ったり、各施設へ連携を促したりします。

◎その他事務業務など

・  ・  ・

一概に「就労支援」といってもそれだけに留まらず、利用者さんの生活や社会の中での役割に着目しながら支援を行うことが重要になります。

どんな資格が活かせるの?

◎サービス管理責任者

◎介護職員初任者研修

◎社会福祉士

◎精神保健福祉士

などなど・・・

取り扱いの生産活動によっては、その業務内容に則したスキルを求められる場合もあります。
また、生活指導員や職業指導員として働く上での必須スキルはありませんので、無資格・未経験から始められることもあります。

推定お給料

正社員:月額約20万円~30万円
年収約280万~420万円(ボーナス含む)

取得済みの資格などによって変動します。
基本的に、管理者やサービス管理責任者は職業指導員・生活指導員よりもお給料が高いことが多いです。

(2025.6 投稿)

※年度や社会情勢によって、制度や推定お給料が変わる場合があります。
※常に情報の更新を心がけていますが、追い付かない場合もありますのでご了承ください。

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